カエルの王子様

すれば、するなと怒られる。
しなければ、しろと怒られる。
じゃあどうしたらいいの？
何もしないで大人しくしているのが一番怒られずに済む。死んだように生きるのが、一番。
それがこの世界のルールだ。

しかしあの頃僕はまだカエルだった。
時折聞こえてくる話し声によって外の世界を知った。
この世界が僕にとっては全てだけれど、それが全てではないらしい。
全ては全てであり全てではない。
ここから見える空も、もしかしたら…